研究成果の紹介
花発生分子遺伝学研究室の白川一助教らの論文が日本植物形態学会の「平瀬賞」を受賞
花発生分子遺伝学研究室の白川一助教らの論文が日本植物形態学会の「平瀬賞」を受賞(令和5年9月6日)。
受賞のコメント
我々の研究が、植物の形態の進化の研究に貢献していると評価していただき大変嬉しく思います。この賞を契機に、今後も継続して植物の形態に着目した先駆的な研究を続けていきたいと思います。
受賞内容
「Stomatal regulators are co-opted for seta development in the astomatous liverwort Marchantia polymorpha」
タイ類は進化の過程で気孔を失っており、気孔形成に関与する転写因子もそのゲノムから失っていると考えられていた。本研究で、タイ類ゼニゴケのゲノムに2つの気孔形成因子の相同遺伝子を発見し、MpSETAおよびMpICE2と命名した。解析の結果、MpSETAとMpICE2はコケ植物特有の「蒴柄(さくへい)」という、気孔とは形も機能も異なる組織に特異的に発現し、蒴柄細胞の分化を制御することを明らかにした。これまで全く想定されていなかった、気孔と蒴柄の発生メカニズムが共通するという可能性が見出された。
関連資料
論文URL:
https://www.nature.com/articles/s41477-022-01325-5
関連サイト:
https://www.nature.com/articles/s41477-022-01334-4
日本植物形態学会
http://square.umin.ac.jp/pl-morph/index.html
【花発生分子遺伝学研究室】
研究室紹介ページ:https://bsw3.naist.jp/courses/courses112.html
研究室ホームページ:https://bsw3.naist.jp/ito/
(2023年11月08日掲載)