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奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

Research 研究

教員

出村教授 教授

出村 拓

水谷助教 助教

水谷 未耶

研究室ホームページ

https://bsw3.naist.jp/demura/

全学オンラインセミナー

2022年度に開催されたBio Discovery Session(全学オンラインセミナー)のアーカイブ動画の一覧です。
Bio Discovery Session

Webメディア

NAIST Edge BIOは、奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域 の各研究室で取り組んでいる「最先端」の研究プロジェクトや研究成果について、研究者だけではなく受験生や一般の方にも分かりやすく紹介するためのWebメディアです。
NAIST Edge BIO 第13回

研究・教育の概要

持続可能な社会の構築に向けて、エネルギー生産、環境再生、食糧増産に役立つ植物の創出と活用に関する研究と教育を行っています。モデル植物や実用植物を材料とした分子生物学的研究や構造力学解析の結果をもとに、木質バイオマスの制御や力学的最適化、物質輸送制御のメカニズムを解明し、有用バイオマス植物作出につながる新規バイオテクノロジーの開発を進めます。

図1

(図1) 道管細胞分化のマスター転写制御因子VND7
当研究室ではVND7の活性化による道管細胞分化誘導実験系を確立しています。この系を用い、植物細胞壁の生合成や制御に係る遺伝子の解明に取り組んでいます。

主な研究テーマ

有用バイオマス植物の開発

様々なモデル研究システム(シロイヌナズナや培養細胞)を用いて、木質バイオマスを構成する木質細胞の分化を制御するしくみの解明に取り組んでいます。とくに、オミクス(ゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボローム)情報をベースにした統合的な解析により、木質細胞の一種である道管細胞の分化や、木質バイオマスの本体である植物細胞壁の生合成を制御する遺伝子の発見に成功しています(図1)。木質バイオマスを改良したモデル樹木の開発や(図2)、コケ植物などの多様な植物種を用いた進化発生的研究にも取り組んでいます(図3)。これらを通じ、有用バイオマス植物作出に向けた汎用性の高い基盤技術の開発研究を推進しています。

図2

(図2) モデル樹木のポプラの木質バイオマスの改良

図3

(図3) モデルコケ植物ヒメツリガネゴケ変異体
道管細胞分化マスター因子であるVND7のホモログ遺伝子を欠損したppvns変異体では葉や茎の通水細胞(h)が異常になり、水輸送の能力が低下します。さらに支持細胞(s)の細胞壁がうすくなります。

植物の力学的最適化メカニズムに基づく基盤技術の開発

植物は発生や環境応答の過程で自らの身体構造を力学的に最適な形へと変化させています。この植物の力学的最適化システムを、さまざまなスケール(生体分子−細胞−組織−個体)で解析(図4)し、そのメカニズムの解明を進めています。原子間力顕微鏡AFMを用いた力学特性解析や、タイムラプスカメラ・マイクロX線CT・IoT機器(Raspberry Piなど)を用いた3D・4D構造特性解析、これらと数理解析を組み合わせた構造力学解析に取り組んでいます。得られた研究成果をもとに、植物の高機能化といった次世代バイオ基盤技術の確立をはじめ、地震や台風、四季の温度差など日本という国土固有の多様な環境因子に調和したサステナブル建築への応用展開を目指しています。

図4

(図4) モデルコケ植物ゼニゴケの細胞間隙の形成
細胞間隙は、細胞壁を分解、再合成しながら細胞同士が離れて形成されるものがあります。ゼニゴケをモデルとしてこの分子メカニズムの解明を目指しています。

自発光植物の社会実装に向けた基盤技術の開発

自発光キノコなどの発光生物がもつ生物発光システムを植物に導入(遺伝子組換え)することで、自発光する植物を作出することができます。当研究室では、大阪大学永井健治教授との共同研究として、自発光ポプラの作出に成功しています(図5)。今後、自発光植物を照明として利用するなどの社会実装のためには、発光強度の増強などのさらなる機能改変が必要です。すでに、発光強度の増強を目指した研究として、外的に薬剤刺激を与える方法や、特定の時期や特定の細胞に自発光を限定する方法の開発に取り組んでいます。これらを通じ、自発光植物の社会実装を目指します。

図5

(図5) 自発光ポプラ
自発光キノコなどの発光生物がもつ生物発光システムをポプラに導入し、自発光ポプラを作出しました。こういった自発光植物の社会実装を目指しています。