栄養シグナルによる植物の免疫活性制御機構
- 演題
- 栄養シグナルによる植物の免疫活性制御機構
- 講演者
- 佐藤 長緒 准教授 (北海道大学大学院理学研究院)
- 使用言語
- 日本語
- 日時
- 2026年11月19日(木曜日) 13:30~14:30
- 場所
- C109
- 内容
植物は,栄養素の獲得量や天候といった多様な環境条件に応 じて細胞内の代謝活動を巧みに制御し,成長を最適化してい る。さらに,環境条件や代謝変動は,植物個体の発生やスト レス抵抗性といった高次生命現象にも作用することが分かっ てきている。特に,多くの細胞内物資やエネルギーを要する 病原体抵抗性(植物免疫)は,成長とのトレードオフ関係に あるが,栄養やエネルギー制限下での免疫活性制御の分子基 盤は不明点が多い。講演者らは,植物細胞内のエネルギーセ ンサーとして知られるSnRK1キナーゼ(哺乳類AMPK/酵母 SNF1ホモログ)活性の新規レポーター系を確立し,栄養欠 乏に応じた植物体内のSnRK1活性変動を検出することに成功 した。さらに,最近の研究から,野生型シロイヌナズナでは 糖欠乏によるエネルギー飢餓条件下で植物免疫活性が低下す る一方で,SnRK1機能抑制株においては免疫シグナルが亢進 しており,病原体感染への抵抗性が強化されることを発見し た。本発表では,栄養シグナルという観点から見えてきた, 植物生存戦略の新たな一面について紹介したい。
- 問合せ先
- 植物免疫学研究室
安田 盛貴 (shige-yasuda@bs.naist.jp)
奈良先端科学技術大学院大学