NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

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類似した複数組織で働く遺伝子群∼疾患・発生・進化との関係

演題 類似した複数組織で働く遺伝子群∼疾患・発生・進化との関係
講演者 瀬々 潤 准教授 (お茶の水女子大学 理学部 情報科学科)
使用言語
日時 2010年3月3日(水曜日) 14:00~15:00
場所 バイオサイエンス研究科 D105
内容

高等生物の組織はそれぞれ固有の機能を有しているが、発生の近い組織や病理学上類似した組織同士では、機能する遺伝子を共有することで、効率よく組織形成を行っていると考えられる。また、これらの遺伝子群は複数組織で働く為、多臓器疾患の原因遺伝子であったり、発生・分化上大きな役割を担ったりしている可能性が高い。本研究では、このような遺伝子群を明らかにするために、タンパク質相互作用ネットワークと遺伝子発現量を組み合わせて解析する計算機手法を開発した。ヒト79組織から観測された発現量を利用し本解析手法で解析することで、発生上あるいは解剖学上近い組織で働く遺伝子ネットワーク群を得た。抽出した遺伝子は、確かに、多臓器で疾患に関わるものが多く含まれ、発現する組織はマウスでも共通している一方、予想に反して致死遺伝子との重複は少なかった。このため、我々の手法は発生や疾患に関わる遺伝子を見つける新しい手法となる事が期待できる。また、本研究の手法はヒトに限らず様々なモデル生物に応用可能であり、本講演では、酵母に対して本手法を適用し、パスウエイ同士の協調関係を調べた事例も紹介する。

問合せ先 生体情報学
森 浩禎 (hmori@gtc.naist.jp)

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