細胞膜の形態制御 -細胞外小胞および細胞間接着の形成と生理機能-
- 演題
- 細胞膜の形態制御 -細胞外小胞および細胞間接着の形成と生理機能-
- 講演者
- 西村 珠子 博士(バイオサイエンス領域 分子医学細胞生物学研究室 准教授)
- 使用言語
- 日本語
- 日時
- 2026年3月3日(火曜日) 13:30~14:15
- 場所
- バイオサイエンス大講義室 (L11)
- 内容
上皮細胞は、隣接細胞と細胞間接着を形成し、組織を構築する。また、細胞外小胞を分泌し、細胞間で情報伝達を行う。一方、がん細胞では、細胞間接着の破綻や細胞外小胞の分泌亢進がみられ、がんの増殖・浸潤・転移に関与することが示唆されている。しかしながら、これらの現象において、細胞膜の形態を制御する分子機構とその意義は、未だ解明されていない。
私たちは、突出膜に由来する細胞外小胞の形成機構を明らかにした(文献1)。また、その小胞が細胞内シグナル伝達に関与するタンパク質を受容細胞に直接伝達することで、細胞の移動を促進することを見出した。さらに、これらの細胞外小胞の取り込み経路を明らかにすると共に、これらの小胞を改変することで、有用タンパク質の直接輸送の可能性を示した(文献2)。
一方私たちは、細胞膜の突起形成を含む適切な形態制御が、上皮細胞間接着の密着結合におけるバリア機能の形成に不可欠であることも見出した。
このような細胞膜の形態制御機構の解明を通して、細胞外小胞や細胞間接着などの複合的な細胞間の相互作用による、がんや老化などの形成に 関わる分子機構の解明を目指したい。- 問合せ先
- 植物代謝制御
出村 拓 (demura@bs.naist.jp)
奈良先端科学技術大学院大学