受験生の方へ 在学生の方へ 教職員の方へ 地域・一般の方へ 企業・研究者の方へ

奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

Seminar セミナー情報

葉に棲息する細菌による気孔動態制御

演題
葉に棲息する細菌による気孔動態制御
講演者
平田 梨佳子 博士 (京都大学大学院農学研究科 特定研究員)
使用言語
日本語
日時
2026年1月15日(木曜日) 15:30~16:15
場所
大セミナー室(C109)
内容

植物は移動できないにもかかわらず、環境変化に適応しながら生育を続 ける。この適応能力は、植物自身による遺伝子発現制御に加え、他の生 物との相互作用によっても支えられている。健全な植物の葉には無数の 細菌が棲息しており、植物の環境適応や生育促進への寄与が報告されて いる。しかし、葉の共生細菌が植物のどのような生理機能にどのような分 子機構を介して影響を与えるかについては、十分に解明されていない。 気孔はガス交換や蒸散を担う重要な器官である一方、病原細菌の侵入口 にもなり得る。植物は病原細菌を感知すると気孔を閉じる免疫応答を誘 導するが、病原細菌は毒素やエフェクタータンパク質の分泌により気孔を 再び開き、植物体内に侵入する。一方で、共生細菌による気孔開閉制御 や、それが植物に与える影響は検討されてこなかった。私は、健全な植物 の葉から分離した共生細菌の中に気孔を開く株および閉じる株を見出し、 これらが植物の生育促進や病原細菌への抵抗性に寄与することを明らか にした。本セミナーでは、共生細菌による気孔動態制御機構に関する研 究成果を紹介し、葉の共生細菌による植物生理機能の拡張という観点か ら、今後の研究展望を議論したい。

問合せ先
植物代謝制御
出村 拓 (demura@bs.naist.jp)