セミナー情報
次世代シーケンサーによるミヤコグサ根粒菌株間の網羅的ゲノム解析
演題 | 次世代シーケンサーによるミヤコグサ根粒菌株間の網羅的ゲノム解析 |
講演者 | 坂本 智昭 博士 (奈良女子大学理学部生物科学科) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2010年5月24日(月曜日) 14:45~ |
場所 | バイオサイエンス研究科 L13会議室 |
内容 | ミヤコグサ根粒菌(Mesorhizobium loti )およびその近縁種はミヤコグサ属の植物と共生し窒素固定を行う。これらの根粒菌は世界の様々な地域に生息するミヤコグサ属植物の根粒から発見されており、それぞれの菌株、系統において宿主特異性、根粒形成能、窒素固定能が異なることがこれまでの研究から明らかになっている。本研究では次世代シーケンサーを用いて12種の根粒菌株の全ゲノムを解析し、共生、窒素固定関連遺伝子に注目して菌株間の比較を行った。比較に用いた菌株間において生理機能に関連する遺伝子領域での相同性は低く16S-23S rRNA配列解析では宿主特異性・窒素固定能との関連は見られなかった。一方で共生アイランドと呼ばれる共生・窒素固定関連遺伝子群が含まれる領域では多くの遺伝子が保存されており、DNAレベルでも90%以上の相同性が見られた。また、多くのマメ科植物種に共生可能な広域宿主特異性の菌株であるNZP2037の共生アイランド領域では、他の菌株では保存されている複数の根粒形成関連遺伝子において相同性が低いことが明らかになった。これにより、これらの遺伝子が窒素固定細菌と共生植物間の宿主特異性を決定していることが示唆された。 |
問合せ先 | 植物グローバル 倉田 哲也 (tekurata@bs.naist.jp) |