セミナー情報
食虫植物におけるマクロ進化形質の遺伝基盤
Deciphering the genetic basis of macroevolutionary traits in carnivorous plants
演題 | 食虫植物におけるマクロ進化形質の遺伝基盤 Deciphering the genetic basis of macroevolutionary traits in carnivorous plants |
講演者 | 福島健児 博士 (Würzburg 大学) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2023年9月6日(水曜日) 10:00~11:00 |
場所 | Rethink バイオサイエンス大講義室 (L11) |
内容 | 高次分類群を定義する革新的な形質はしばしば種内多型を欠くため、遺伝学的解析が困難であり、その成立過程には謎が多い。そして、捕虫葉によって小昆虫を誘引・捕獲・消化・吸収する食虫植物の進化はその典型例である。私は、モデル植物たちの扱いやすさを横目に羨みながら、食虫植物たちへと配られた数少ない(しかし意外と強力な)カードを頼りに研究を進めてきた。その一つが、「進化の反復実験」ともみなせる収斂進化である。近年、同じ遺伝子の変化によって革新的形質が何度も出現している事例が多数見つかっていることから、形質進化と相関する遺伝子の収斂進化(分子収斂)を指標にすれば、実験室での取り扱いが困難な生物であっても、形質の遺伝的基盤へとアクセス可能になるはずだ。本発表では、このような視点から展開してきた食虫植物研究のこれまでとこれからについて紹介したい。
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問合せ先 | 植物再生学 池内 桃子 (momoko.ikeuchi@bs.naist.jp) |