セミナー情報
ゼブラフィッシュをモデルとした社会性の理解-器官から個体へ-
演題 | ゼブラフィッシュをモデルとした社会性の理解-器官から個体へ- |
講演者 | 秋山 隆太郎 博士(奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域 助教) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2022年11月7日(月曜日) 10:00~10:45 |
場所 | オンライン開催 |
内容 | 生命維持に必要な器官が機能するためには、発生プログラムで定められた適切な形態や大きさで形成される必要がある。この過程を素子である細胞の階層で考えてみると、器官の前駆細胞どうしは互いに協調し、細胞増殖や分化に関わる時空間情報の違いや環境からのかく乱などを乗り越えながら、集団として定められた形態や大きさを取るよう何とかつじつまを合わせているのだが、このような細胞の社会性獲得機構についてはあまり解明されていない。我々はゼブラフィッシュの左右差決定器官であるクッペル胞の形成過程を解析するなかで、クッペル胞の前駆細胞が他器官のように厳密に同じサイズの器官を作るのではなく、むしろサイズにばらつきのある器官を形成したうえで、個々の細胞の性質を微調整することにより器官の機能を担保するという、新たなタイプの細胞社会性獲得機構を発見した。本セミナーでは、この新たな細胞社会性獲得機構を概説することに加え、現在行っている「ゼブラフィッシュ個体を素子と捉えた個体レベルの社会性」に注力した研究についても紹介したい。
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問合せ先 | 植物成長制御 梅田 正明 (mumeda@bs.naist.jp) |