セミナー情報
多細胞体制の構築・維持に関与する情報伝播
演題 | 多細胞体制の構築・維持に関与する情報伝播 |
講演者 | 松井 貴輝 博士(奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域 遺伝子発現制御研究室 准教授) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2022年8月1日(月曜日) 09:00~09:40 |
場所 | オンライン開催 |
内容 | 多細胞生物には多種多様な細胞が存在し、同種または異種細胞の間では様々な情報が伝播される。最近、細胞間の情報伝播は神経や上皮などの培養細胞系で捉えられるようになったが、技術的な制約により生体内ではあまり観察されていない。私たちは様々なバイオセンサーを組み込んだゼブラフィッシュを作成し、生体イメージングする観察系を確立することで、多細胞体制が構築・維持されるために必要な動作原理の理解に挑んでいる。例えば、上皮組織内にがん原性細胞やアポトーシス細胞が出現したとき、これらの変異細胞は周囲の正常細胞によって体外へ排除されるのだが(Epithelial Defense Against Cancer、Apoptotic Cell Extrusion)、私たちは「変異細胞から周囲の正常細胞へカルシウム波が伝播し、細胞排除の駆動力を生成する」というシグナル‐メカノ変換機構を発見した。本セミナーでは、これらの成果について発表した上で今後の研究の展望についても概説する。
|
問合せ先 | 植物成長制御 梅田 正明 (mumeda@bs.naist.jp) |