セミナー情報
高湿度環境における植物と病原細菌の水をめぐる攻防
演題 | 高湿度環境における植物と病原細菌の水をめぐる攻防 |
講演者 | 安田 盛貴 博士 (奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 バイオサイエンス領域 博士研究員) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2022年3月17日(木曜日) 10:00~10:45 |
場所 | オンライン開催 |
内容 | 雨がもたらす高湿度環境は、病原細菌による葉の病害を拡大する。気孔
などを介して葉内に侵入した病原細菌は、エフェクタータンパク質を分泌し、 細胞間隙に水を蓄えることで自身の増殖を促す。これは水浸漬と呼ばれ、 高湿度環境下で葉内の病原細菌が病原性を発揮する要因となる。近年、 アブラナ科植物シロイヌナズナと病原細菌Pseudomonas syringaeを中心に、 病原細菌が水浸漬を誘導する仕組みが明らかになってきた。しかしながら、 高湿度環境下で植物がどのように水浸漬の発生を防いでいるのか、その 理解は遅れている。私たちは、シロイヌナズナをモデルとして植物の水浸漬 抵抗性の分子実体解明に取り組んでいる。本セミナーでは、これまでに明 らかにした、細胞膜アクアポリンと植物ホルモンABA(アブシシン酸)の代謝 酵素を介した水浸漬抵抗性を報告する。また、それらの研究から着想を得 た、植物が高湿度環境に応答する仕組みと意義ついて今後の展望も含め 紹介したい。 |
問合せ先 | 植物成長制御 梅田 正明 (mumeda@bs.naist.jp) |