NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

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植物のM期チェックポイント機構の解明

演題 植物のM期チェックポイント機構の解明
講演者 小牧伸一郎 博士(奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科  バイオサイエンス領域 助教)
使用言語 日本語
日時 2022年1月20日(木曜日) 15:30~16:15
場所 オンライン開催(Webex)
内容
細胞周期のS期で複製されたゲノムを娘細胞に等分することは、生物に
とって最も重要なイベントの1つである。この分裂中の細胞にストレスが生じ
ると、Spindle assembly checkpoint (SAC)複合体とChromosomal passenger
complex (CPC)複合体から構成される「M期チェックポイント」によって分裂が
停止され、ゲノムの異常分配が回避される。しかし、他の生物とは異なり、
植物は容易にゲノム倍加を起こす特性を持つことから、機能的なM期チェッ
クポイントの存在が疑われていた。
今回、植物においても両複合体が機能していることを示すとともに、植物
特異的なSAC制御機構がゲノム倍加を引き起こす原因となっていることを明
らかにした(1)。さらに、新規に発見したCPC複合体の構成因子の機能解析
より、CPC複合体の染色体への局在機構に収斂進化が関わっていることを
見出した(2,3) 。
本セミナーでは、これら研究から明らかとなってきた植物のM期チェックポ
イント機構の分子メカニズムについて紹介する。また、これまで別々の現象
として捉えられてきた細胞周期と代謝の関連を明らかにすることを目指す、
新たな研究展望についても議論したい。
 
【参考論文】
(1) Komaki and Schnittger, Developmental Cell: 43, 172-185 (2017)
(2) Komaki et al., Plant Physiology: 183, 1586-1599 (2020)
(3) Komaki et al., bioRxiv: https://doi.org/10.1101/2022.01.07.475321 (2022)
問合せ先 植物成長制御
梅田 正明 (mumeda@bs.naist.jp)

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