セミナー情報
胚盤胞補完法を利用した臓器作出条件の解明と異種臓器作製
演題 | 胚盤胞補完法を利用した臓器作出条件の解明と異種臓器作製 |
講演者 | 由利 俊祐 博士(バイオサイエンス領域 器官発生工学研究室 助教) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2021年11月4日(木曜日) 13:00~13:45 |
場所 | オンライン開催 |
内容 | 臓器移植は臓器機能不全の抜本的な治療法として考えられているが、移植のドナーは絶対的に不足しているのが現状である。この問題を解決する方法として、臓器欠損モデル動物の初期胚へ多能性幹細胞を注入し、多能性幹細胞由来の臓器を作る方法である、胚盤胞補完法が注目されている。これまでに、この方法により、マウス体内で、異種であるラットの膵臓や胸腺の作出が報告されている。一方で、胚盤胞補完法を行ったすべてのキメラ個体で多能性幹細胞由来の臓器が作り出されるわけではなく、胚盤胞補完法により臓器を作り出すために必要な条件は未だ不明であった。
本発表では、腎臓や肺に焦点を当て、胚盤胞補完法により臓器を作製するために必要な条件を明らかにすることができ、その条件を満たしたときに、これまでマウス体内では作製されていなかったラット由来の腎臓や肺を作製することに成功したので、本セミナーではそれらの知見について紹介したい。さらに、得られた知見から、今後の胚盤胞補完法研究の方向性についても併せて議論したい。 |
問合せ先 | 植物成長制御 梅田 正明 (mumeda@bs.naist.jp) |