セミナー情報
多細胞体制の構築に必要な情報伝播
演題 | 多細胞体制の構築に必要な情報伝播 |
講演者 | 松井 貴輝 博士(バイオサイエンス領域 遺伝子発現制御研究室 准教授) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2021年7月19日(月曜日) 10:00~10:45 |
場所 | Rethink バイオサイエンス大講義室 (L11) |
内容 | 多細胞生物には、200 種類以上の細胞が存在し、同種または異種の細胞間では様々な情報が伝播される。最近、細胞間で情報が伝播する様子は、神経や上皮などの培養細胞で捉えることができるようになってきたが、技術的な制約により生体内ではあまり観察されていない。私たちは様々なバイ
オセンサーを組み込んだゼブラフィッシュを作成し、生体イメージングする観察系を確立することで、多細胞体制が構築されるために必要な動作原理の理解に挑んでいる。例えば、体節原基では、 FGF の濃度勾配が ERK 活性境界に変換され、しかも、その境界が周期的に体節1つ分後退することが、体節の等間隔パターンの規定に必須であることを発見した。また、上皮組織内に変異細胞が生じると、その細胞を起点にカルシウム波が周囲の正常細胞へ伝播し、これが上皮細胞群の集団行動に依存した変異細胞の排除に必要であることを見出した。本セミナーでは、これらの成果を報告する。 |
問合せ先 | 植物成長制御 梅田 正明 (mumeda@bs.naist.jp) |