NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

セミナー情報

植物のmRNA配列と翻訳効率の関係性を解析し応用する

演題 植物のmRNA配列と翻訳効率の関係性を解析し応用する
講演者 山﨑 将太朗 博士(奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス領域 博士研究員))
使用言語 日本語
日時 2021年1月15日(金曜日) 13:30~14:15
場所 開催はZoomによる電子開催です。
参加をご希望の方は、別途ZoomのURLをお知らせいたしますので、bsjimu-kyomu@bs.naist.jp まで、
参加希望の旨をご連絡ください。
内容

 mRNAの翻訳は、最終的なタンパク質の蓄積量を決定する重要な過程の一つであり、その効率はmRNA種によって大きく異なり、成長や発達、環境ストレスにおいて変動することが知られている。この翻訳効率はmRNAの配列に依存して制御されており、特に5‘UTRと呼ばれる領域の配列が重要であることが知られている。一方で、効率の決定に関わる具体的な配列的特徴に関しては不明な点が多いのが現状である。そこで、演者はこれまでに、mRNA配列と翻訳効率の関係性を解き明かすことを目的として、高解像度の網羅的解析法の開発や、大規模データを用いたin silicoでの関係性の解析を行ってきた。その結果、転写開始点の違いに起因する5’UTR配列の数塩基の違いも翻訳効率に影響を与えており、mRNAの5‘末端側の配列的特徴が翻訳効率に重要であることを明らかとした。加えて、得られた知見の応用にも積極的に取り組んでおり、バイオ医薬品等の生産性向上を目的とした植物での外来遺伝子発現系の改良も行っている。具体的には、得られた生物学的知見と機械学習や最適化アルゴリズムを組み合わせることで、翻訳のエンハンサーとして機能する全く新しい5'UTR配列を設計するシステムの開発を行っており、有用遺伝子の発現量を実際に向上させることに成功している。本セミナーでは、これらの基礎と応用の両面での研究より得られた知見や成果を紹介する。

問合せ先 植物細胞機能
橋本 隆 (hasimoto@bs.naist.jp)

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