セミナー情報
植物バイオテクノロジー:有用タンパク質の高効率発現を目指して
演題 | 植物バイオテクノロジー:有用タンパク質の高効率発現を目指して |
講演者 | 加藤 晃 博士 (奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 バイオサイエンス領域 准教授) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2020年11月11日(水曜日) 10:00~11:00 |
場所 | 開催はZOOMによる電子開催です。 参加をご希望の方は、別途ZOOMのURLをお知らせいたしますので、bsjimu-kyomu@bs.naist.jp まで、 参加希望の旨をご連絡ください。 |
内容 | 組換えタンパク質の市場規模は年々拡大しており、特にバイオ医薬品に関しては、2020年に約30兆円になると予想されている。例えば、再生医療で用いられる幹細胞の培養時に添加される細胞増殖因子の中には、mgあたり数十万円以上と非常に高価なものもあり、異種生物での低コスト生産が期待されている。このような状況の中で、植物を宿主とした組換えタンパク質生産は、栽培の容易さとアグロバクテリウムやウイルスベクターを用いた一過的な発現システム等の技術開発により近年注目を集めている。また、遺伝子発現制御機構の解明に伴い、実際にその知見を活用して植物(細胞)で効率良く目的タンパク質を発現させる試みも多数行なわれている。
本セミナーでは、演者がこれまで行ってきた個別遺伝子発現に着目した発見的手法による発現システムの開発(翻訳エンハンサー、新規ターミネーター)に加えて、次世代シーケンサー等を活用しゲノムワイドに細胞内での遺伝子発現制御を解析することで、新たな発現システムを開発した例を紹介する(1)。今後は、翻訳/転写終結/mRNAの分解などの効率について、内在mRNA種について各過程の実測データを取得し(2)、配列からそれぞれの実測データを説明できる数理モデルをin silicoにて構築し、最終的には、その数理モデルを活用することで、遺伝子発現制御機構のさらなる理解に加えて、より高発現が可能となる人工配列の設計に繋げて行きたい。 |
問合せ先 | 植物細胞機能研究室 橋本 隆 (hasimoto@bs.naist.jp) |