NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

セミナー情報

研究者の事件と研究不正(盗用、ねつ造、改ざん)

演題 研究者の事件と研究不正(盗用、ねつ造、改ざん)
講演者 白楽ロックビル 教授 (お茶の水女子大学大学院・人間文化創成科学研究科・ライフサイエンス専攻)
使用言語 日本語
日時 2010年6月18日(金曜日) 16:00~
場所 バイオサイエンス研究科 L13会議室
内容

明治7年(1874年)から2009年の136年間の「研究者の事件」を読売新聞の記事を利用してデータベース化した。136年間の新聞記事は全部で1075万件あり、「犯罪・事件」記事は96万件あった。その内、研究者が関与した「犯罪・事件」記事は13,265件あった。これらの記事を1つ1つ読み解く作業を4人の院生の協力のもとに10年余り続け、「研究者の事件」は、約1,300件になった。

「研究者の事件」は、「セクハラ」「研究費不正」「ねつ造(Fabrication)」「改ざん(Falsification)」「盗用(Plagiarism)」などがあり、多くの事件は、既に明治時代・大正時代にも見られる。つまり、研究行為と密接で切り離せない面があるともいえるし、国・研究機関・研究者が学習していないともいえる。「研究者の事件」のうち、「ねつ造(Fabrication)」「改ざん(Falsification)」「盗用(Plagiarism)」を中心にセミナーでお話しするが、これらのスキルは院生の内に身につけた方がよいと思われる。しかし、これらは「常識で」「当然」“悪い”行為とみなされるためか、普段十分な説明を受けることは少ない。事件の実態を調べると、実のところ、ルールはいい加減で、シロ・クロの線引きは難しい場合が結構ある。結局、事件となればメディアの餌食になり、シロ・灰色・クロには、研究機関・研究室の損得と研究者・院生のキャリア・メンツの力関係が大きな影響力をもち、正義は主役になりにくい。基本は、研究室の人間関係だが、今後、院生も研究者も“つまらない”行為で研究キャリアと人生を棒に振らないように、正面から話題にしにくい問題、普段あまり考えない研究者の裏問題をしっかり理解しておこう。

問合せ先 生体機能制御学
佐藤 匠徳 (island1005@bs.naist.jp)

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