セミナー情報
自閉症関連因子FoxG1遺伝子の量による発達制御機構
演題 | 自閉症関連因子FoxG1遺伝子の量による発達制御機構 |
講演者 | 三好 悟一 博士 (東京女子医科大学医学部生理学講座講師) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2018年6月25日(月曜日) 16:00~17:30 |
場所 | バイオサイエンス棟 L12会議室 |
内容 | 自閉症スペクトラム障害はほとんどの場合、明確な病因や原因遺伝子が特定できるわけではなく、環境要因と遺伝要因の複雑な相互作用により発症すると考えられている。近年、特発性自閉症患者の体細胞から調製したiPS 細胞を用いた分化アッセイでは、一様に転写因子 FoxG1「量」増加が観察されたことから疾患エンドフェノタイプとして FoxG1「量」が注目されている。また FoxG1 遺伝子自体の変異では、遺伝子座の重複および欠損いずれの場合においても自閉症 FoxG1症候群を発症することが明らかにされている。このように FoxG1 因子「量」の重要性がヒト疾患で示唆されるなか、最先端のマウス遺伝学的手法を取り入れることによって FoxG1因子「量」が大脳皮質形成にはたす役割の解明に挑戦した。皮質回路に欠かせない興奮性ピラミダルニューロンの分化発生がFoxG1因子「量」のダイナミックな増減変化により制御される分子機構を明らかにした。この結果を受け、発達期GABA細胞におけるFoxG1「量」依存的な機構が抑制回路の形成および疾患に与える影響を検証する。
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問合せ先 | 遺伝子発現制御 別所 康全 (ybessho@bs.naist.jp) |