セミナー情報
植物における細胞周期遺伝子の発現制御
〜転写因子研究から見えてきた多様な生理学的役割〜
演題 | 植物における細胞周期遺伝子の発現制御 〜転写因子研究から見えてきた多様な生理学的役割〜 |
講演者 | 伊藤 正樹 博士(名古屋大学大学院生命農学研究科 准教授) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2017年9月15日(金曜日) 11:00~12:00 |
場所 | 大セミナー室 |
内容 | 細胞周期制御の仕組みは単細胞生物や培養細胞を使った研究から多くの知見が積み重ねられてきましたが、多細胞体における役割や制御メカニズムについては十分に理解されていません。植物培養細胞の研究から同定したR1R2R3-Mybファミリーの転写因子は、細胞周期のG2期からM期にかけて発現する遺伝子の制御に中心的な役割を担っています。この転写因子ファミリーの研究から細胞周期遺伝子の転写制御系が、器官発生における適切な細胞増殖の停止やDNA倍数性の制御を通じた細胞サイズの決定、さらには植物ホルモンに対する応答など、一見、細胞周期とは直接関連しないような諸現象に対しても重要な働きを持つことが分かってきました。R1R2R3-Mybには転写活性化因子と抑制因子の両方がありますが、それらは独自にタンパク質複合体を形成しており、そこにG1/S期遺伝子の主要な転写因子E2Fが含まれていることが最近明らかになりました。本セミナーでは、このような細胞周期遺伝子の謎に満ちた転写制御の仕組みのほか、この遺伝子発現制御系が持つ多様な働きについて紹介します。 |
問合せ先 | 植物成長制御 梅田 正明 (mumeda@bs.naist.jp) |