セミナー情報
アクチン制御による上皮細胞層の変形および安定化機構
演題 | アクチン制御による上皮細胞層の変形および安定化機構 |
講演者 | 西村 珠子 博士 (理化学研究所 多細胞システム形成研究センター 高次構造形成研究チーム 日本学術振興会 特別研究員) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2017年2月22日(水曜日) 15:30~16:15 |
場所 | 研究科大セミナー室 |
内容 | 上皮は、様々な器官の実質を担う組織である。上皮の細胞は、強固な細 胞間接着を形成して細胞層を安定に維持する一方、発生期においては、細 胞層を変形させたり、接着を緩めて移動したりする能力を有している。これ らの細胞機能は、カドヘリンをはじめとする細胞間接着分子や、それを細胞 内で裏打ちするアクチン骨格により巧妙に制御されており、それらの破綻 は発生の異常や癌の転移等を引き起こす。私は、脳・脊髄の前駆体である 神経管が神経上皮細胞層から形成される際に、細胞間接着を裏打ちする アクチン骨格が背腹軸方向に極性を持って収縮すること、また、このアクチ ン収縮が平面内極性シグナル系により制御されていることを明らかにした (1,2)。さらに、培養上皮細胞を用いた解析から、forminの一種DAAMによる アクチン制御が、Rac‐WAVE2複合体を介した接着側面部の運動性を抑制す ることで、細胞層の安定化に重要であることも見出した(3)。 本セミナーでは、上皮細胞層における多様なアクチン骨格制御システム について議論したい。 |
問合せ先 | 構造生物学 箱嶋 敏雄 (hakosima@bs.naist.jp) |