セミナー情報
細胞膜脂質非対称センシング機構とシグナル伝達
演題 | 細胞膜脂質非対称センシング機構とシグナル伝達 |
講演者 | 小原 圭介 博士(北海道大学大学院薬学研究院 創薬科学部門・生化学研究室 助教) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2017年2月22日(水曜日) 10:00~10:45 |
場所 | 大セミナー室 |
内容 | 細胞膜の脂質二重層では内外層で脂質組成や役割が大きく異なる。その 様な脂質非対称の維持・調節は細胞の生存に必須であり、部分的な破綻でさえ様々な疾患をもたらす。私は、その様な脂質非対称の状態変化を感知し、適応反応を引き起こす脂質非対称センサーRim21を同定した。そこで、 Rim21による脂質非対称センシング機構を研究し、Rim21が柔軟性の高い細胞質側の可溶性領域を触角の様に用いて脂質非対称の状態をモニターするという触角仮説を提唱した。さらに、Rim21が出力したシグナルがユビ キチン化反応とESCRT複合体を介して細胞膜上で伝達されることを明らかにした。このシグナル伝達によって、脂質分子の内外層間移動に関わる新規因子が誘導され、適応反応で中心的な役割を果たすことも見出した。 本セミナーでは、この様な脂質非対称の感知機構、シグナル伝達、細胞応答の一連を概説すると共に今後の展望について議論したい。 |
問合せ先 | 構造生物学 箱嶋 敏雄 (hakosima@bs.naist.jp) |