セミナー情報
腎臓前駆細胞培養法の確立から管腔構造構築へ
演題 | 腎臓前駆細胞培養法の確立から管腔構造構築へ |
講演者 | 由利 俊祐 博士 (Research Scientist, Norimoto Yanagawa Renal regeneration lab., UCLA David Geffen School of Medicine) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2016年10月14日(金曜日) 10:00~10:45 |
場所 | 研究科 大セミナー室 |
内容 | 腎臓は悪化すると再生することはなく、腎不全の治療の大半は対症療法 である人工透析が担っている。一方で、腎不全の根治治療法である腎移植 は深刻なドナー不足に陥っていることから、腎不全の根治治療を目指すた めに、in vitroで機能を有する腎臓を再構成する研究の必要性が高まってい る。腎臓は主に後腎間葉と尿管芽の相互作用によって形成され、前者から は、尿を作る糸球体やイオンの再吸収を行う尿細管というネフロンが作られ、 後者からは尿を集める集合管が作られる。これまでに、私はネフロン構成 細胞のプロジェニター細胞である後腎間葉細胞をin vitroで長期間培養可 能な培養法を報告した。今回、腎集合管のプロジェニター細胞である尿管 芽細胞の増殖メカニズムを解明することで、単一分散された尿管芽細胞か ら、尿管芽と同様の機能を有する管腔構造を持ったorganoidを作成するこ とに成功したので、本セミナーではそれら最新の知見について紹介したい。 さらに、in vivoの腎臓の発生メカニズムを用いた腎臓再生の方法論につい ても紹介し、今後の腎臓再生医療研究の方向性についても併せて議論した い。 |
問合せ先 | 構造生物学 箱嶋 敏雄 (hakosima@bs.naist.jp) |