植物へ導入した遺伝子の効率的発現技術の開発
- 演題
 - 植物へ導入した遺伝子の効率的発現技術の開発
 - 講演者
 - 加藤 晃 博士(植物代謝制御研究室助教)
 - 使用言語
 - 日本語
 - 日時
 - 2016年2月29日(月曜日) 13:30~14:30
 - 場所
 - バイオサイエンス研究科 大セミナー室(C109)
 - 内容
 - 1980年代前半に高等植物における各種の外来遺伝子導入技術が開発され、植物機能を改良 することや利用する試みが盛んに行われるようになってきた。しかし、植物へ導入した遺伝子がかなりの頻度で発現せず、発現していた植物で も次世代では必ずしも発現しないことや目的タンパク質の生産性の低さが遺伝子組換え植物を実用化する上で大きな障害となっていた。一方で、過去30年 間の植物分子生物学の目覚しい発展により、遺伝子発現制御機構が明らかにされるとともに、その知見を活用して植物へ導入した有用遺伝子の 発現を高める試みがなされてきた。この中で、これまでに演者は、1.導入遺伝子が 安定に発現しない要因、2.NOSターミネーターの問題点と新規ターミネーターの 単離、3.転写後に導入遺伝子の発現を高める試み、4.環境ストレス下でも翻訳が抑制されない発現系の開発、5.植物mRNAの翻訳状態を説明 できるモデル式の構築、などに取り組んできた。その成果により、導入遺伝子の発現を従来の発現系と比較して約200倍高めることが可能な発現系の開発に成功している。これらの成果と今後の研究開発に ついて紹介したい。
 - 問合せ先
 - 構造生物学
箱嶋 敏雄 (hakosima@bs.naist.jp) 
        奈良先端科学技術大学院大学