セミナー情報
mRNA分解による免疫の制御機構
演題 | mRNA分解による免疫の制御機構 |
講演者 | Prof. Osamu Takeuchi(Lab. of Infection and PreventionInstitute for Virus Research Kyoto University) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2015年11月13日(金曜日) 16:00~ |
場所 | 大セミナー室 |
内容 | マクロファージなどの自然免疫細胞は病原体の感染をToll-like receptor(TLR)により 認識し炎症性サイトカインを産生する。 サイトカインmRNAは転写、および分解の過程で厳密に制御されており、 特にmRNA分解の調節は炎症のファインチューニングに重要な役割を果たしている。 我々は、マクロファージにおいてTLRにより発現誘導されるRNA分解酵素として Regnase-1 (Zc3h12a)を同定した。 この分子はInterleukin-6 (IL-6)を始めとするサイトカインmRNAを、 その3’非翻訳領域にあるステムループRNA構造を認識して分解する。 また、Regnase-1は自然免疫細胞のみではなく、獲得免疫細胞であるT細胞においても その活性化を負に調節し、マウスにおいて自己免疫性炎症性疾患の発症を抑制する役割を果たしている。 最近、Regnase-1に加えて、RoquinというRNA結合蛋白質がRegnase-1とは異なるメカニズムながら、 共通したサイトカインmRNAを分解し、それぞれが炎症制御に重要であることが明らかとなってきた。 本講演では、Regnase-1とRoquinの機能を通じ、mRNA分解による免疫システムの調節メカニズムに関し議論したい。 |
問合せ先 | 分子免疫制御 河合 太郎 (tarokawai@bs.naist.jp) |