セミナー情報
抗体遺伝子編集機構の解明とその応用
演題 | 抗体遺伝子編集機構の解明とその応用 |
講演者 | 新藏 礼子 博士(長浜バイオ大学バイオサイエンス学部 教授) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2015年9月2日(水曜日) 10:00~11:00 |
場所 | バイオサイエンス研究科 大セミナー室 |
内容 | 抗体は生体防御の要石である。未知の外敵に備えるためVDJ遺伝子組み 換えにより多くの種類の抗体を産生するリンパ球が骨随で生まれ体内に蓄 えられている。それだけでなく、リンパ球は外敵による攻撃を受けると、完 成した抗体遺伝子にさらに突然変異を能動的に導入することでより強力な 抗体を作り出す機構(体細胞突然変異)を持つ。大腸菌からヒトに至るまで、 生命維持のためDNA変異を効率良く修復する機構を発達させてきた。体細 胞突然変異という現象はこれに反するものであり、なぜ抗体遺伝子に高率 に突然変異が許容されるのか、いまだに明らかではない。 抗体はクラススイッチにより、IgMからIgG, IgE, IgAへとアイソタイプを変化 させることで同じ抗原を認識しながら異なる攻撃力を持つことができる。クラ ススイッチも抗体遺伝子の組換えを伴う現象であり、体細胞突然変異ととも に酵素aitivation‐induced cytidine deaminase (AID)を必要とする。体細胞突 然変異の機構を解明するためにクラススイッチはほぼ正常に起こすが体細 胞突然変異を著しく障害するAID変異体(AIDG23S)を見つけ、そのノックイン マウスを作成した。 |
問合せ先 | 構造生物学 箱嶋 敏雄 (hakosima@bs.naist.jp) |