演題 |
細胞極性形成分子による細胞、組織の形成およびその機能破綻による疾患の理解 |
講演者 |
鳥山 道則 博士(University of Texas at Austin Department of Molecular Biosciences) |
使用言語 |
日本語 |
日時 |
2015年7月29日(水曜日) 13:30~14:15 |
場所 |
L12会議室 |
内容 |
細胞の「極性形成」は、正常な細胞機能、組織構築、個体の発生に重要な現象の1つであり、これまでに多くの分子の関与が報告されている。近年、平面内細胞極性(Planar Cell Polarity: PCP)に関わる分子群が細胞の極性形成のみならず、繊毛の形成に必要であることが解ってきた。繊毛は細胞外からのシグナルの受容、伝達や細胞外環境に方向性を持った流れを作り出すために必要な細胞器官であり、組織・個体の発生に重要な働きを担う。
遺伝性疾患である繊毛病では、繊毛の機能不全により個体レベルで様々な異常を示すが、その発症機構の理解および治療法の開発については今後の研究課題である。私は、プロテオーム解析によりPCP分子と相互作用する分子群の新たなネットワークを明らかにし、PCP分子の機能制御に重要な役割を担う新規分子Jbts17を同定した。本セミナーでは、ツメガエル初期胚におけるJbts17の機能解析を通じて明らかとなった、繊毛形成機構と繊毛内への分子輸送、細胞内小器官の空間的配置、個体の左右差の構築について議論したい。 |
問合せ先 |
構造生物学 箱嶋 敏雄 (hakosima@bs.naist.jp) |