セミナー情報
RNA結合タンパク質hnRNP A/Bは mRNAの局在や翻訳状態の制御を担う
演題 | RNA結合タンパク質hnRNP A/Bは mRNAの局在や翻訳状態の制御を担う |
講演者 | 福田 七穂 博士 (奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科 日本学術振興会特別 研究員) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2015年6月9日(火曜日) 13:30~14:30 |
場所 | 大セミナー室 |
内容 | 近年、遺伝子発現制御の研究において、転写後のmRNAが翻訳されるま でに受ける多様な制御が注目されている。その1つであるmRNAの局在化 は、翻訳制御と共役して特定遺伝子の時空間特異的な発現を可能にする。 mRNA の局在制御に必要な因子として、輸送されるmRNA上に存在するシ グナル配列と、その配列を特異的に認識して結合するRNA結合タンパク質 とが挙げられる。しかし、両者が対応づけされた例は希少なため、詳細な分 子機構の解明に至っていない。 私達はこれまでに、特定の遺伝子のmRNA輸送に必要なシグナル配列を 決定し、この配列に結合するタンパク質としてhnRNP A/B (heterogeneous nuclear ribonucleoprotein A/B) を同定、解析してきた。hnRNP A/Bは多種の 細胞で発現しており、オリゴデンドロサイト、神経細胞、精細胞において特 定の結合配列を含むmRNAの局在化や翻訳制御に関与することを明らか にした。また、hnRNP A/Bは嗅覚神経細胞でも高度に発現しており、嗅覚受 容体をコードするmRNAに結合することを見出している。本セミナーでは、マ ウス嗅覚組織におけるhnRNP A/Bの機能解析について、最新の結果を発表 するとともに、今後の展開についても議論したい。 |
問合せ先 | 構造生物学 箱嶋 敏雄 (hakosima@bs.naist.jp) |