セミナー情報
ペプチドと核酸の複合体を利用した植物への遺伝子導入法の開発
演題 | ペプチドと核酸の複合体を利用した植物への遺伝子導入法の開発 |
講演者 | 沼田 圭司 博士(理化学研究所 環境資源科学研究センター) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2014年7月14日(月曜日) 14:30~ |
場所 | 大セミナー室 |
内容 | 石油依存の物質生産に替わる新規の物質生産法として、二酸化炭素を原料とした植物による物質生産を実現するためには、植物の遺伝子組換え技術の利 用は不可 欠であり、簡便かつあらゆる種類の植物及び遺伝子に広く適用可能な、新しいタイプの遺伝子導入方法が求められている。また、交雑育種では付加できない有用 な形質を遺伝子導入により植物に付与することは、GM作物の問題はあるものの、今後の農作物の改良と農業の発展に向けた重要な科学技術である。 本研究では、細胞膜透過配列(CPP)とポリカチオン配列から成るペプチドを用いることで、遺伝子を植物細胞内に導入する方法を紹介する。 CPPは、哺乳類及びヒトの培養細胞の生体膜を通過し、ペプチド及びDNAを含む複合体を輸送する機能を有することが知られている。しかし、動物細胞と異なり植物 細胞は、CPP及び複合体の内在化に対し、細胞壁及び細胞膜による二重障害を有することから、植物細胞におけるCPPの使用は制限されると考えられてきた。また、 ポリカチオン配列は、負に荷電した核酸をイオン性相互作用でパッキングし、遺伝子導入可能な複合体を形成することが知られている。 本研究では、CPPおよびポリカチオン配列を有する融合ペプチドを合成し、遺伝子とのイオン性複合体を植物の葉へインフィルトレーションすることで、レポーター遺伝子を植物細胞へと導入する技術を確立した。本講演では、周辺技術も含めて現在の取り組みについて紹介する。 |
問合せ先 | 植物代謝制御 出村 拓 (demura@bs.naist.jp) |