セミナー情報
NIMA関連キナーゼによる微小管と細胞成長の制御
演題 | NIMA関連キナーゼによる微小管と細胞成長の制御 |
講演者 | 本瀬 宏康 准教授(岡山大学) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2014年6月3日(火曜日) 14:00~15:00 |
場所 | 大セミナー室 |
内容 | 細胞の成長と分裂には、微小管が重要な役割を果たしている。微小管の挙動は、微小管付随タンパク質やリン酸化によって調節されることが良く知られているが、間期から分裂期までのダイナミックな微小管構造変化のしくみはほとんどわかっていない。我々は、シロイヌナズナのNIMA関連キナーゼ(NEK)が、間期における細胞伸長と細胞分裂の両方において機能していることを見出した。シロイヌナズナの7つのNEKのうち、NEK6が微小管を介した細胞伸長制御において中心的な役割を持つことが示唆された。細胞伸長の際に、NEK6は他のNEKメンバーと相互作用して、チューブリンをリン酸化し、微小管を不安定化すると考えられる。また、発現パターンと多重変異体の表現型から、シロイヌナズナNEKファミリーは細胞分裂において冗長的に機能することが示唆された。最近、NEK6誘導系を用いた解析から、NEK6が植物細胞内でチューブリンをリン酸化し、細胞成長を調節することがわかった。更に、NEK6によるチューブリンのリン酸化部位を特定し、そのリン酸化の意義について研究を進めている。セミナーでは、微小管構造変化におけるNEKの機能について紹介する。 ・Motose H, Hamada T, Yoshimoto K, Murata T, Hasebe M, Watanabe Y, Hashimoto T, Sakai T and Takahashi T (2011) NIMA-related kinases 6, 4, and 5 interact with each other to regulate microtubule organization during epidermal cell expansion in Arabidopsis thaliana. Plant J. 67, 993-1005 ・Motose H, Takatani S, Ikeda T and Takahashi T (2012) NIMA-related kinases regulate directional cell growth and organ development through microtubule function in Arabidopsis thaliana. Plant Signal. Behav. 7, 1552-1555 |
問合せ先 | 植物細胞機能 橋本 隆 (hasimoto@bs.naist.jp) |