セミナー情報
腸管IgA抗体による腸内細菌制御機構の解明と応用
演題 | 腸管IgA抗体による腸内細菌制御機構の解明と応用 |
講演者 | 新蔵 礼子 教授(長浜バイオ大学 バイオサイエンス学科) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2013年11月8日(金曜日) 16:00~17:00 |
場所 | 大セミナー室 |
内容 | 腸管に分泌されるIgA抗体は粘膜面の病原菌防御だけでなく腸内定在細菌と宿主の共生関係を保つ粘膜バリアの一因子として重要です。体細胞突然変異の障害のために腸内細菌に対して結合力の弱いIgA抗体しか産生できないマウス(G23Sマウス) では、大腸炎が自然に起こりました。この結果から、健康的な腸内環境の維持には単にIgA抗体の存在が重要なのではなく、多種類の細菌を認識し、かつ結合力の強いIgA抗体が必要であると考えました。そのようなモノクローナルIgA抗体を産生するハイブリドーマを野生型マウスから樹立してG23Sマウスに経口投与すると、免疫系の過剰刺激も大腸の慢性炎症像も正常化しました。IgAの機能不全が大腸炎の原因になることをマウスモデルで初めて示しました。腸管IgA抗体が腸内細菌を制御する戦略について最新の知見をもとにお話します。 |
問合せ先 | 動物遺伝子機能 石田 靖雅 (ishiday@bs.naist.jp) |