セミナー情報
植物の高い再生能力を支えるpre-mRNAスプライシング制御機構
演題 | 植物の高い再生能力を支えるpre-mRNAスプライシング制御機構 |
講演者 | 大谷 美沙都 博士(理化学研究所 環境資源科学研究センター バイオマス工学研究連携部門) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2013年9月24日(火曜日) 16:00~16:45 |
場所 | L12会議室 |
内容 | 植物の特徴の一つとして、細胞増殖や器官分化の可塑性にもとづく高い再生能力が挙げられる。この性質を支える分子機構を明らかにするため、私たちは、脱分化および分裂組織形成に関して強い温度感受性を示すシロイヌナズナ変異体srd2およびrid1の研究を行ってきた。解析の結果、SRD2は核内低分子RNA(snRNA)の転写活性化因子を、RID1はDEAH型RNAヘリカーゼをコードすることが分かり、snRNAとRID1の共通分子機能であるpre-mRNAスプライシング制御が、植物の脱分化や分裂組織形成に重要であることが明らかになった。さらにスプライシング能力は発生を通してダイナミックに変動しており、特定の発生過程がとくに高いスプライシング能を要求することも突き止めた。以上をもとに、本セミナーでは、スプライシング能力が植物細胞の増殖・分化の可塑性をどう制御しているのかを論じたい。 【参考論文】 Ohtani et al. (2013) Plant Cell, 25, 2056‐2069. Ohtani et al. (2011) Plant J, 67, 499‐512. Ohtani et al. (2010) Plant Cell Physiol, 51, 2002‐2012. Ohtani et al. (2008) Plant Mol Biol, 66, 303‐314. Ohtani and Sugiyama (2005) Plant J, 43, 479‐490. |
問合せ先 | 構造生物学 箱嶋 敏雄 (hakosima@bs.naist.jp) |