開始コドンの厳密な選択とその異常からくる病理について
- 演題
 - 開始コドンの厳密な選択とその異常からくる病理について
 - 講演者
 - 浅野 桂 博士(Division of Biology, Kansas State University, Manhattan, Kansas, U.S.A.)
 - 使用言語
 - 日本語
 - 日時
 - 2013年7月19日(金曜日) 15:00~16:00
 - 場所
 - L13会議室
 - 内容
 - 真核生物の翻訳開始過程において、4つの翻訳開始因子eIF1、eIF2、eIF3、eIF5は巨大複合体MFCを形成しリボソームに結合する。小因子eIF1はmRNAのスキャニング中、開始tRNAと開始コドンのまちがった塩基対がリボソームPサイトに入ってくることを妨げるが、いったん正しい塩基対が入ると排除され、リボソームを翻訳開始に導く。 MFCの相互作用は、スキャニング中はeIF1をつなぎ止め、開始コドン認識後は組み代わって、eIF1のリボソームとの再結合を妨げる。癌発生時、多くのタンパク質のコピー数があがることが知られている。この時増産される開始因子による開始コドン認識異常と、癌化との関連性について考察する。
 - 問合せ先
 - ストレス微生物科学
高木 博史 (hiro@bs.naist.jp) 
        奈良先端科学技術大学院大学