NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

セミナー情報

細胞システムのロバストネスを測る

演題 細胞システムのロバストネスを測る
講演者 守屋 央朗 博士(岡山大学 異分野融合先端研究コア 准教授)
使用言語 日本語
日時 2013年6月13日(木曜日) 10:30~11:30
場所 L12会議室
内容
 数千から数万のタンパク質の働きにより細胞システムの機能は発揮される。これらのタンパク質の発現量はそれぞれ一万倍以上も異なっている。それではこのタンパク質の発現量はどれくらい厳密でなければならないのだろうか?近年の細胞内の分子ネットワークの解析から、細胞内のタンパク質の量や活性が多少変動しても細胞シ
ステムの機能は安定に維持されるという特性「ロバストネス」が見えてきた。一方で細胞システムのロバストネスの研究は理論研究が中心で、実際の細胞システムがどの程度のロバストネスを持っているかは体系的に調べられていなかった。
 私たちは、タンパク質の過剰発現に対する細胞システムのロバストネスを測るための実験手法「遺伝子つなひき法」を開発した (1)。遺伝子つなひき法では遺伝子のコピー数を上げられるか(遺伝子の過剰発現のコピー数限界)を測ることができる。本セミナーでは、細胞システムのロバストネスとはどのようなもので、どのようにして測定できるのか、また遺伝子つなひき法を用いて私たちが行った出芽酵母や分裂酵母の細胞周期のロバストネスの解析 (2, 3)、さらに最近発表した出芽酵母のすべての遺伝子の遺伝子つなひき法による解析の結果 (4) などを紹介する。

参考文献
1. Moriya et al., PLoS genet. 2006
2. Kaizu et al., PLoS genet. 2010
3. Moriya et al., Mol. Syst. Biol. 2011
4. Makanae et al., Genome Res. 2013
問合せ先 システム微生物学
森 浩禎 (hmori@gtc.naist.jp)

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