セミナー情報
アルツハイマー病原因蛋白質の機能構造解析と軸索保護遺伝子スクリーニング
演題 | アルツハイマー病原因蛋白質の機能構造解析と軸索保護遺伝子スクリーニング |
講演者 | 佐藤 千尋 博士 (ワシントン大学医学部) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2013年1月10日(木曜日) 16:00~17:00 |
場所 | L13会議室 |
内容 | アルツハイマー病(AD)は進行性の神経変性疾患でありその予防、治療法の確立が待ち望まれている。γセクレターゼはAD患者脳に蓄積するアミロイドベータペプチドを前駆体から切断する酵素で、AD の創薬ターゲットとして注目されているが、その構造情報及び基質切断機構は不明であった。我々はγセクレターゼの活性中心サブユニットであるプレセニリンの機能構造解析を行い、プレセニリンが活性中心付近にユニークな親水性の構造を有することを発見した。一方γセクレターゼは生体内で様々な役割を果たしていることが知られており、副作用の少ないγセクレターゼ阻害剤の開発にはその機能の解明が必須である。続いてγセクレターゼの成体脳での役割を明らかにしたいと考え、米国ワシントン大学医学部にてγセクレターゼの最も重要な下流シグナルであるノッチシグナルを成体脳特異的に欠損するマウスの解析を行い、ノッチシグナルが成体における認知機能の維持に必須でないことを明らかにした。現在我々は様々な神経変性疾患を引き起こす原因となる軸索変性に新たに着目し、軸索変性を保護する遺伝子を網羅的に探索する研究を行っている。現在の研究の進行状況とスクリーニングの手法について紹介したい。 |
問合せ先 | 分化・形態形成学 横田 明穂 (yokota@bs.naist.jp) |