セミナー情報
新規キネシンKif24による一次繊毛形成制御メカニズムの解析
演題 | 新規キネシンKif24による一次繊毛形成制御メカニズムの解析 |
講演者 | 小林 哲夫 博士(ニューヨーク大学 医学部) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2012年7月3日(火曜日) 16:00~17:00 |
場所 | 大セミナー室 |
内容 | 中心体(centrosome)を構成する中心子(centriole)は、細胞分裂期の紡錘体形成に寄与するだけでなく、一次繊毛(primary cilia)の根元(basal body)として機能することが知られている。CP110 は、その相互作用因子であるCep97 と共に中心子に局在し、一次繊毛形成を抑制するタンパク質として報告されたが、その分子メカニズムは不明であった。我々はCP110-Cep97 複合体の相互作用因子として、kinesin-13 サブファミリーに属する新規キネシンKif24 を同定し、Kif24 の発現を抑制した細胞では、CP110 を発現抑制した場合と同様に繊毛形成が誘導されることを見出した。さらにKif24 は、CP110 の中心体への局在に必要であるだけでなく、その微小管分解活性により中心子微小管を調節することが分かった。これらの結果は、Kif24 がCP110 と協調して哺乳動物細胞における繊毛形成をコントロールすることを示唆している。 参考論文 Spektor, A., et al., Cep97 and CP110 suppress a cilia assembly program. Cell, 2007. 130(4):678-90. Kobayashi, T. and Dynlacht, B.D., Regulating the transition from centriole to basal body. J Cell Biol, 2011. 193(3):435-44. Kobayashi, T., et al., Centriolar kinesin Kif24 interacts with CP110 to remodel microtubules and regulate ciliogenesis. Cell, 2011. 145(6):914-25. |
問合せ先 | 分化・形態形成学 横田 明穂 (yokota@bs.naist.jp) |