セミナー情報
ミオシンによる選択的積み荷輸送機構の構造研究
演題 | ミオシンによる選択的積み荷輸送機構の構造研究 |
講演者 | 平野 良憲 博士(奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 構造生物学研究室) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2012年3月1日(木曜日) 16:30~17:30 |
場所 | 大セミナー室 |
内容 | ミオシンはアクチン線維上を移動するモータータンパク質であり,筋収縮や細胞内輸送など様々な現象において必須の機能を果たしている.これまでミオシンのモータードメインの機能および構造研究は盛んに行われてきたが,これに対して各ミオシン特有の役割を担っているtail領域の機能・構造解析は遅々として進んでいなかった. 本セミナーではミオシンの1つmyosin‐Xと積み荷分子の1つ,軸索誘導分子ネトリンの受容体DCCの複合体の立体構造解析の結果を中心に,ミオシンのtail領域による積み荷分子の認識メカニズムを紹介する.また,myosin‐Xはtail領域を介して複数の積み荷を選択的に輸送するだけでなく,微小管と直接結合して,微小管とアクチン線維という2つ細胞骨格系を連結する係留分子として機能する.このような多様な機能を持ちながら,特異的な分子認識機構を可能とする巧妙な仕組みについて,タンパク質の立体構造の観点から議論したい. Hirano, Y., et al., (2011) EMBO J. 30, 2734‐2747. |
問合せ先 | 分化・形態形成学 横田 明穂 (yokota@bs.naist.jp) |