セミナー情報
バイオ・抗体医薬品の現状と展望について
演題 | バイオ・抗体医薬品の現状と展望について |
講演者 | 土屋 政幸 博士(中外製薬株式会社) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2011年10月24日(月曜日) 15:30~17:00 |
場所 | 大セミナー室 |
内容 | 抗体医薬品の最初の開発ブームは1980年代前半に訪れている。「魔法の弾丸」と称され、数多くのマウス由来のモノクロナール抗体の臨床開発が展開されたが、ヒトに投与したときの抗原性など様々な問題点が浮上し、結局のところ医薬品化に成功したのはOrthoclone OKT3のみという惨澹たる結果であった。一方、当時は遺伝子組み換え技術による成長ホルモン、造血因子、インターフェロン など生理活性物質の医薬品化が大いに脚光を浴び、製薬、食品、発酵をはじめ様々な業種がバイオ医薬品の開発に一斉に参入した時期でもあり、抗体医薬品への熱はまたたくまに冷めてしまった。しかし、欧米では、この間も着々と抗体工学の技術開発に取り組み、特に英国のMedical Research Councilの研究グループは1986年に世界で最初のヒト化抗体を発表した。それ以来、多くの抗体創薬ベンチャーが立ち上がり、また、米国Genentech社など有力なバイオベンチャーも参入し、抗体工学技術は目覚しい勢いで発展した。1990年代に入ると、新たな生理活性物質の探索や医薬品化の見通しの困難性が認識され、多くの企業がバイオ医薬品の研究から撤退するなど、次世代のバイオ医薬品を模索する時期が来ていた。欧米の大手製薬企業や有力なバイオベンチャーは、抗体創薬にいち早く着目し、次世代バイオ医薬品として本格的に抗体医薬品の開発に乗り出し、第2の抗体医薬品ブームの幕開けとなった。こうして、最初のヒト化抗体が発表されてから20年以上の歳月が経過し、現在までに、31品目の抗体医薬品が認可され、100を超える多くの品目が開発段階にある。本セミナーでは、抗体医薬品開発の現状から将来展望まで総括したい。 |
問合せ先 | 分子情報薬理学 伊東 広 (hitoh@bs.naist.jp) |