セミナー情報
シロイヌナズナの根端幹細胞ニッチの維持に必要な分泌型ペプチドシグナル
演題 | シロイヌナズナの根端幹細胞ニッチの維持に必要な分泌型ペプチドシグナル |
講演者 | 松林 嘉克 教授(基礎生物学研究所 細胞間シグナル研究部門) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2011年10月28日(金曜日) 15:30~17:00 |
場所 | 大セミナー室 |
内容 | 幹細胞の維持には、複雑な細胞間相互作用やシグナリングネットワークが関与しているが、特にニッチと呼ばれる特異的な細胞外環境が重要である。我々は、ペプチドホルモンの翻訳後修飾酵素のひとつであるチロシン硫酸化酵素の欠損株(tpst-1)では、根端において未分化な幹細胞が失われ、根端分裂組織の活性が顕著に低下することに着目して、幹細胞ニッチの維持に関与するチロシン硫酸化ペプチドの探索を行なった。我々は、ゲノムデータベースを用いたin silico遺伝子スクリーニング、および化学合成ペプチドをtpst-1に与えるアッセイによって、新しい13アミノ酸チロシン硫酸化ペプチドを見出し、root meristem growth factor(RGF)と名付けた。RGFペプチドファミリーは、根端の静止中心細胞やコルメラ細胞で特異的に発現しており、幹細胞維持に関与する転写因子PLETHORAの発現を制御していた。これらのペプチドは、ニッチシグナルとして根の形成に重要な役割を果たしていると考えられる。 |
問合せ先 | 細胞間情報学 高山 誠司 (takayama@bs.naist.jp) |