セミナー情報
動物の行動を支配するフェロモンの受容機構
演題 | 動物の行動を支配するフェロモンの受容機構 |
講演者 | 東原 和成 教授(東京大学 大学院農学生命科学研究科) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2011年9月26日(月曜日) 15:00~ |
場所 | 大セミナー室 |
内容 | 生態系は、多様かつ複雑な化学物質で充満しているが、生物はその多様な情報のなかから、仲間、敵、異性などの信号を正確にキャッチして識別する能力をもつ。なかでも、同種の異性間で交わされる信号を性フェロモンと呼び、様々な昆虫で同定されてきたが、近年、受容メカニズムおよび識別機構も明らかになってきた[1-3]。また、マウスにおいても涙液から交尾を促進させる性フェロモンが見つかり、それを感知する鋤鼻受容体および脳入力部位も明らかになった[4-5]。これらの研究を通して、無脊椎動物、脊椎動物関わらず、フェロモンは、ある特定の受容体に高感度かつ高選択的に認識され、その情報はある特定の神経回路を介して、行動や生理的変化を引き起こすことがわかった。 [1] Touhara and Vosshall: Annu. Rev. Phy. 71, 307-332 (2009) [2] Nakagawa et al.: Science 307, 1638-1642 (2005) [3] Sato et al.: Nature 452, 1002-1006 (2008) [4] Kimoto et al.: Nature 437, 898-901 (2005) [5] Haga et al.: Nature 466, 118-122 (2010) |
問合せ先 | 分子情報薬理学 伊東 広 (hitoh@bs.naist.jp) |