セミナー情報
Morpheus’ Molecule1によるシロイヌナズナ内在性ゲノム領域のサイレンシング機構
演題 | Morpheus’ Molecule1によるシロイヌナズナ内在性ゲノム領域のサイレンシング機構 |
講演者 | 土生 芳樹 博士(独立行政法人農業生物資源研究所) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2011年7月20日(水曜日) 15:00~16:00 |
場所 | L13会議室 |
内容 | シロイヌナズナのMorpheus’ Molecule1 (MOM1)は、一部の内在性反復配列の転写型サイレンシングに必須の因子である。MOM1はSWI2/SNF2型のクロマチンリモデリング因子、特に不活性なクロマチンの維持に関わるCHD3のATPase/helicase領域に部分的な相同性を示すものの、ATPase/helicase活性に必須のモチーフの幾つかを欠いており、その生化学的機能は不明である。ゲノムタイリングアレイを使ってMOM1の内在性標的領域の網羅的検出を行った結果、MOM1によるサイレンシングを受ける領域は主に機能を失ったトランスポゾンの残骸などであり、RDR2依存的に蓄積される24塩基のsmall RNAとの相関が見られた。mom1変異体で活性化されるゲノム領域のCGおよびnon-CGのシトシンメチル化は活性化の前後で明確な変化が見られないが、一部の領域におけるヒストンメチル化の不活性型から活性型への変化が見られた。これらの結果からMOM1はRNA-directed DNA methylation (RdDM)の下流で機能し、シトシンメチル化とヒストン修飾つなぐ因子である可能性が予想される。本セミナーでは、MOM1と他のRdDM因子遺伝子との関わりについても言及する。 文献 Numa et al (2010) EMBO J 29:352-362 Habu (2010) Epigenetics 5:562-565 |
問合せ先 | 植物分子遺伝学 島本 功 (simamoto@bs.naist.jp) |