セミナー情報
植物根端の細胞分裂から細胞分化への移行を調節する転写因子UPBEAT1の解析
演題 | 植物根端の細胞分裂から細胞分化への移行を調節する転写因子UPBEAT1の解析 |
講演者 | 塚越 啓央 助教(名古屋大学高等研究院) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2011年6月7日(火曜日) 15:00~ |
場所 | L13会議室 |
内容 | 植物のみならず多細胞生物において細胞分裂と細胞分化への急激な機能転換の適切なバランスを保つことは、正常な発達に鍵となるプロセスである。転写因子によるこの細胞機能転換は未解明な部分が多い。このプロセスを制御しうる転写因子をRootMapと呼ばれる根の大規模マイクロアレイデータから同定し、UPBEAT1(UPB1)と命名した。ChIP-chip解析やマイクロアレイによるゲノムワイドな解析から、UPB1はペルオキシダーゼの発現を直接負に制御していることが分かった。これらの結果から活性酸素種(ROS)が細胞分裂から伸長への機能転換に重要なシグナル分子として働いている可能性が示唆され、さらなるUPB1の生理学的解析により少なくとも2種のROS,スーパーオキシドと過酸化水素,の根端における空間的分布が細胞機能の決定に関与していることを明らかとした。そこで本セミナーでは、UPB1が制御するシロイヌナズナ根端での細胞分裂から分化への細胞機能転換のメカニズムに焦点を当てて紹介する。 参考文献 Tsukagoshi, et al., Cell 143, 606-616, (2010) |
問合せ先 | 細胞間情報学 高山 誠司 (takayama@bs.naist.jp) |