研究成果の紹介
バイオサイエンス研究科細胞シグナル研究室の米倉敏哉さん(博士後期課程1年)が第7回国際分裂酵母学会(英国ロンドン)優秀ポスター発表賞を受賞
バイオサイエンス研究科細胞シグナル研究室の米倉敏哉さん(博士後期課程1年)が、6月29日に英国ロンドンで開催された第7回国際分裂酵母学会(英国ロンドン)において第7回国際分裂酵母学会優秀ポスター発表賞を受賞しました。
受賞コメント
この度、第7回国際分裂酵母学会において優秀ポスター発表賞を受賞することができ、大変光栄に思います。この賞を頂けたのは、ご指導頂いている塩﨑一裕教授、建部恒助教をはじめとする、研究室および共同研究者の皆様のおかげであり、この場を借りて深く御礼申し上げます。この学会には、今回の賞を授与して頂いたSir Paul Nurseをはじめ、世界各国の著名な研究者が集います。そのような場でこれまでの研究を評価して頂けたことは大きな喜びであるとともに、今後研究を続けていく上でのモチベーションになりました。これを励みに更なる研究の発展を目指し、努力し続けたいと思います。
受賞時の発表内容
私たちの体を形成する細胞は、細胞外の環境変化を感知し、その情報を細胞内へ伝え、適切な応答を行うための仕組みを備えています。本研究で着目しているTORキナーゼは、このような細胞内における情報伝達において枢要な役割を担うものであり、癌や糖尿病といった疾患との関連からも注目を集めています。TORキナーゼは他のタンパク質と結合し、2種類の複合体(TORC1、TORC2)を形成することでそれぞれ異なる標的分子に情報を伝達します。今回、私たちはTORC2が適切な標的分子を認識するのに必要な「基質認識サブユニット」としてSin1というタンパク質が機能することを明らかにしました。この知見は、TORC2を標的とした薬剤開発にも結びつくことが期待できます。今後は、TORC2経路の更なる解明を目指したいと思います。
(2013年07月05日掲載)