研究成果の紹介
バイオサイエンス研究科細胞シグナル研究室の塩﨑一裕教授が第一三共生命科学研究振興財団の第31回(平成25年度)研究助成対象者に選ばれました。
平成25年12月12日付けで、細胞シグナル研究室の塩﨑一裕教授が第一三共生命科学研究振興財団の第31回(平成25年度)研究助成対象者に選ばれました。本助成は、生命科学特に疾病の予防と治療に関する諸分野の基礎的研究並びに臨床への応用的研究に意欲的に取り組んでいる、日本国内在住の50歳未満の研究者を支援するものです。
助成受託コメント
申請時に研究科長から頂いたご推薦に感謝するとともに、頂いたチャンスを活かすことが出来たことを嬉しく思います。この度の助成は当研究室の中心的プロジェクトを推進するための大きな力となるもので、第一三共生命科学研究振興財団の支援に深く感謝するとともに、メンバー全員が一丸となって優れた成果を目指したいと思います。
助成受託研究テーマ
「キナーゼ結合タンパク質 Sin1 によるシグナル伝達ネットワーク」
この研究は、細胞のインスリン刺激伝達経路、増殖刺激伝達経路、さらに環境ストレス刺激伝達経路を連結するSin1と呼ばれるタンパク質の機能を、遺伝学的な解析の容易な酵母を利用して研究するもので、糖尿病、ガン細胞増殖および抗ガン剤に対する細胞応答の分子レベルでの理解に貢献することを目指すものです。
関連論文
- Tatebe, H., Morigasaki, S., Zeng, C.T. and Shiozaki, K. (2010) Rab-family GTPase regulates TOR complex 2 signaling in fission yeast. Curr. Biol. 20, 1975-1982.
- Tatebe, H. and Shiozaki, K. (2010) Rab small GTPase emerges as a regulator of TOR complex 2. Small GTPases 1, 180-182.
- Shiozaki, K. (2009) Nutrition-minded cell cycle. Sci. Signal. 2, pe74
- Ikeda, K., Morigasaki, S., Tatebe, H., Tamanoi, F. and Shiozaki, K. (2008) Fission yeast TOR complex 2 activates the AGC-family Gad8 kinase essential for stress resistance and cell cycle control. Cell Cycle 7, 358-364.
- Shiozaki, K. and Russell, P. (1995) Cell-cycle control linked to extracellular environment by MAP kinase pathway in fission yeast. Nature 378, 739-743.
(2013年12月19日掲載)