吉田 聡子 教授
ご自身の研究内容やその面白さについて教えてください。
植物に寄生して生活する寄生植物の研究をしています。他の植物の中に侵入して維管束を乗っ取って栄養をもらって生きる植物です。元々は同じ祖先を持つ植物同士なのに、なぜこうなった?その疑問を分子遺伝学やゲノム科学を用いて解き明かします。
研究現場の苦労や楽しみについて教えてください。
思った通りの遺伝子発現が見えた時、変異体の原因遺伝子が分かった時、顕微鏡の下で細胞が綺麗に見えた時、作ったプログラムがきちんと動いた時はテンションが上がります。何より、新しい結果がでて「この事実は世界で自分しか知らない」と思う時は、ふふっとなります。その瞬間のために、試行錯誤が必要です。
期待される成果や社会的意義について教えてください。
寄生植物はアフリカや南ヨーロッパで大きな農業被害を出している植物です。寄生のメカニズムを解き明かすことで、世界の食料問題の解決につながることを期待しています。寄生植物を防除できる農薬の開発、抵抗性宿主の育種、遺伝子操作で寄生植物を防除する方法を考案できたらと思っています。
これから受験する学生へ一言応援メッセージ
バイオの分野にはまだまだ解明されていない不思議がたくさんあります。ぜひ研究室に参加して、そんな不思議を解き明かしてみませんか?寄生植物以外にも植物と他の生物の生物間相互作用の研究もしています。
研究室を志望するにあたり、勉強をする上で、おすすめのサイト、本、総説などを教えてください。
- 生物の科学 遺伝 vol 70 p289, 「根寄生植物の寄生メカニズム」
https://plantimmunity.riken.jp/_src/524/no.04_p2898160293_93c18fwi_8ee1927c8e81.pdf?v=1557792277406 - 植物科学最前線 12:101 「寄生植物の吸器形成と宿主侵入におけるエチレンの役割」 https://bsj.or.jp/jpn/general/bsj-review/BSJ-Review_12B_101-111.pdf
- 植物科学最前線 7:241「寄生植物コシオガマの吸器形成機構」
https://bsj.or.jp/jpn/general/bsj-review/BSJ-review_7E_241-249.pdf
リフレッシュ方法は何ですか?
温泉に行ってのんびりすること。家庭菜園。旅行に行って時々馬にのることです。