岡村教授

岡村 勝友 教授

RNA分子医科学

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ご自身の研究内容やその面白さについて教えてください。

私たちは小分子RNA(特にmiRNA)を中心に遺伝子発現制御を研究しています。癌など、様々な病気でmiRNAの発現異常が見られます。健康な生体ではどのようにしてmiRNAの発現量を厳密に正常な範囲に保っているか、病気ではどのような分子機構の異常がmiRNAの発現異常を引き起こしているのか明らかにできたらと思います。miRNAの発現も多段階で複雑な制御が行われており、また他の様々な分子機構と協調的に働くことで、生体の状態を制御していることがだんだん理解できてきていることが、この分野の面白いところです。

研究現場の苦労や楽しみについて教えてください。

私の研究室では、これまでにmiRNAの生合成効率や分解速度に関わる特徴的な塩基配列を発見したりすることができました。一見ランダムに存在しているように見える配列から、法則性を見出し仮説を立て、その仮説を実験的に証明できた瞬間は、どれも忘れることができないほど印象に残っています。なかなか法則性が見出せない時、実験系がうまく立ち上がらない時はしんどいですが、その時期があるからこそ発見の喜びがあると思います。

期待される成果や社会的意義について教えてください。

『病気』は『遺伝子発現制御の異常』と言い替えてしまえるほど、両者には深い関連があります。遺伝子発現制御機構を深く理解することで、病気を引き起こしている分子機構に迫り、新しい治療法の開発や病気の早期発見に役立つと信じています。また、バイオインフォマティクス解析や生化学実験など、社会的要請の高い分野の教育を通して、将来学術界、産業界両方で活躍する人材を多数輩出していくことが研究室の重要な役割と思っています。

これから受験する学生へ一言応援メッセージ

一言で言うと奈良先端大バイオは学生、教員とも多様なバックグラウンドから人材が集まり、研究室の壁を超えて交流と協力をしながら、それぞれの目標に向かって頑張っていけるところです。いつでも見学会などを通して、積極的に多くの教員から研究の内容を聞いたり在学生から奈良先端大の環境について聞いたりすることで、実際の雰囲気を知ってもらい環境の良さをわかってもらえると思います。

研究室を志望するにあたり、勉強をする上で、おすすめのサイト、本、総説などを教えてください。

研究室ウェブサイト(https://bsw3.naist.jp/okamura/?cate=496)や研究室から発表されたレビュー( doi: 10.3389/fgene.2014.00172. eCollection 2014など)を読んでいただくのが良いと思います。

リフレッシュ方法は何ですか?

映画鑑賞