西村准教授

西村 珠子 准教授

分子医学細胞生物学

ご自身の研究内容やその面白さについて教えてください。

細胞は、それぞれ特有の形を持ち、様々な機能を担っています。それでは、細胞の形は、どのようにして制御されるのでしょうか?
細胞は細胞膜から突起を出すことで、移動したり、隣の細胞と接着したり、異物を捉えたりします。また、突起を切断して細胞外小胞を分泌し、細胞間情報伝達を行っています。一方、がん細胞では、突起の数が増える傾向がみられ、細胞運動の促進が起こると共に、細胞外小胞の分泌が増加することにより、増殖・転移が引き起されます。
私達は、正常細胞やがん細胞が、どのような仕組みで形態を変化させ、それによりどのように運動や機能が制御され、どのように増殖・転移が引き起こされるのかを、分子レベルで明らかにしたいと考えています。

研究現場の苦労や楽しみについて教えてください。

研究は、材料の準備から始まり、様々な実験をこなし、多くのデータを解析して、現象を明らかにする作業の連続です。大変なことも多いですが、思いがけない現象を発見したり、試した事が成功したりすると、最高の気分が味わえます。また、積み上げた研究結果が論文として完成するのは、大きな喜びです。さらに、教員としては、当初ビギナーだった学生が、卒業する頃には実験を自ら提案する程にまで大きく成長するのも、楽しみの一つです。

期待される成果や社会的意義について教えてください。

細胞突起の増加や細胞外小胞の分泌亢進は、がんの増殖・転移に関与することが知られています。細胞突起の形成・切断等の分子機構を明らかにすることで、がんの治療や、抗がん剤の開発に貢献できることが期待されます。

これから受験する学生へ一言応援メッセージ

奈良先端大は、面白い研究を行っている研究者がたくさんいて、研究環境も大変充実しています。異分野の学生さんも、大歓迎です。私たちと一緒に、新しい現象・分子の発見を目指しましょう。

研究室を志望するにあたり、勉強をする上で、おすすめのサイト、本、総説などを教えてください。

「The Cell 細胞の分子生物学」、またはそのポイントを要約した「Essential細胞生物学」をよく読んで、細胞生物学の基礎を勉強すると、日々の研究に大変役立ちます。

リフレッシュ方法は何ですか?

休日に子供と一緒に料理やお菓子を作ることです。