木俣 行雄 准教授
ご自身の研究内容やその面白さについて教えてください。
真核生物細胞は多様なオルガネラを有していますが、そのサイズや機能は不変ではありません。小胞体は、細胞外に分泌するタンパク質や脂質を合成するためのオルガネラです。私たちの研究チームでは、酵母を用いて、周囲の状況などに応じて小胞体のサイズや機能が調整される仕組み(小胞体ストレス応答)について研究しています。
研究現場の苦労や楽しみについて教えてください。
パンや酒造にも使われるサッカロミセス酵母は、遺伝子操作が簡単で、基礎生物学のモデルとしても幅広く使われています。研究データも比較的短い期間で得ることができ、学生の間に学術論文を書いたり、学会発表をすることも十分に可能です。いい研究をして、一緒に学会に行きましょう。
期待される成果や社会的意義について教えてください。
小胞体ストレス応答は、ヒトのさまざまな疾患との関わりが指摘されており、私たちの研究はその原因解明にも役立っています。また、人為的に小胞体ストレス応答経路を活発化し、小胞体の機能やサイズが増大した酵母を作出することも、私たちの目標のひとつです。そのような酵母は、有用タンパク質や油脂の生産に利用できると期待されます。
これから受験する学生へ一言応援メッセージ
本学のバイオサイエンス領域で行われている研究は主として、様々な生物を用いた実験生物学です。教員など在籍メンバーの研究に対する意識と情熱は高く、また、数多くの実験機器が揃っています。私たちと一緒に研究・実験をして、新しい発見をしましょう。
研究室を志望するにあたり、勉強をする上で、おすすめのサイト、本、総説などを教えてください。
Essential細胞生物学(南江堂)の第15章には、私たちの研究に関する内容が数多く載っています。
リフレッシュ方法は何ですか?
木俣は学生のころから、バックパッカーとして東南アジア各国に旅行していました。文化的に日本と同じ点と違う点があり、とても興味深いです。研究室には東南アジアからの留学生も多く、彼らとの交流も楽しみのひとつです。