コウモリ独自の生体機能解明の試み ~非モデル動物における研究の面白さ~
- 演題
- コウモリ独自の生体機能解明の試み ~非モデル動物における研究の面白さ~
- 講演者
- 鍋島 圭 (国立環境研究所 生物多様性領域 生物多様性資源保全研究推進室 研究員)
- 使用言語
- 日本語
- 日時
- 2025年10月31日(金曜日) 16:00~17:30
- 場所
- L11
- 内容
コウモリは唯一の飛翔できる哺乳類であり、極地を除くすべての地域に生息している世界で最も繫栄した哺乳類の一種である。近年、コウモリは多くの感染症の自然宿主であることからある意味では嫌われ者となっている。一方で、コウモリは環境変動に弱い生物種でもあり、わが国に生息している37種のコウモリの内32種が絶滅危惧種、残り5種も減少傾向にある存亡の危機にある動物種であるという二面性を有している。コウモリには飛翔能力や感染症に耐性がある事以外にも腫瘍が確認されていない事、極めて長寿な種がいる事、独自の機構の冬眠を行う種がいる事等、独自の生体機能が確認されている。本講演では、コウモリの適切な取り扱いのためのルール作りからそのバイオリソースの樹立、ウイルス叢解析、進化遺伝学的解析、冬眠機能の解析に加え、講演者が主催している「次世代のコウモリ学」における様々な研究の展望について紹介したい。
- 問合せ先
- 機能ゲノム医学
石田 靖雅 (ishiday@bs.naist.jp)