シロイヌナズナおよび花卉園芸作物における耐病性機構
- 演題
- シロイヌナズナおよび花卉園芸作物における耐病性機構
- 講演者
- 舘田知佳 博士
(岩手生物工学研究センター 園芸資源研究部 研究員) - 使用言語
- 日本語
- 日時
- 2020年2月6日(木曜日) 14:00~14:45
- 場所
- L12会議室
- 内容
植物は病原体感染に対し様々な抵抗性システムを保有しており、感染す
る病原体種に応じて巧みに使い分けている。本セミナーでは、SA (サリチル
酸)による膜タンパク質の制御を介したシロイヌナズナの病原菌抵抗性反
応および、花卉園芸作物であるリンドウの糸状菌耐性について紹介する。
私達は、SA が高蓄積しているシロイヌナズナACD6 (ACCELERATED CELL
DEATH6)のgain‐of‐function 変異体の解析を通して、1) SA/ACD6 が既知の
受容体タンパク質の発現レベルおよび細胞膜での安定性を制御し、2) それ
ら受容体タンパク質がSA 依存的な防御関連シグナルに関与していること、
3)さらに、SA/ACD6 タンパク質が多様な種類の未知のレセプターキナーゼ
にも作用していることを明らかにした。また、非モデル花卉園芸作物のリン
ドウにおける糸状菌耐性機構の解析から、リンドウの花色制御因子や、葉
の向軸面に存在する気孔密度が抵抗性レベルを決定する重要な要因であ
ることを証明した。現在、糸状菌が自身の二次感染を有利にするため、非
感染上位葉において感受性誘導を引き起こすという非常に興味深い現象
を見出しており、今後の展望を含めて報告する。- 問合せ先
- 植物細胞機能研究室
橋本 隆 (hasimoto@bs.naist.jp)