ERK MAPキナーゼ活性化の可視化と操作 ~細胞増殖と細胞集団運動の制御~
- 演題
 - ERK MAPキナーゼ活性化の可視化と操作 ~細胞増殖と細胞集団運動の制御~
 - 講演者
 - 青木 一洋 博士 (自然科学研究機構 岡崎統合バイオセンター 基礎生物学研究所 定量生物学研究部門 )
 - 使用言語
 - 日本語
 - 日時
 - 2017年10月27日(金曜日) 13:30~15:00
 - 場所
 - 大セミナー室
 - 内容
 - 細胞は様々な環境からの刺激を「入力」として感知し その情報を細胞の中で処理し、最終的に細胞の増殖や分化といった「出力」を行う。 その情報処理を担う「システム」が細胞内シグナル伝達系である。 その中でもERK MAPKシグナル伝達系は細胞の増殖や分化、細胞運動といった多様な生命現象に関与することが知られている。 ERK分子がこのような多様な生命現象を創発するのは、ERK活性化の時間パターンに情報がコードされているからだと考えられている。しかし、1細胞レベルでERK活性のどのように制御されているのか、またそれがどのような表現型と結びついているのかは直接的に調べられていなかった。
我々は、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET) の原理に基づくバイオセンサーを用いてERK活性を生きた細胞で可視化し、その動態を定量化してきた。本発表では、FRETバイオセンサーの原理とその応用法の紹介、ERK活性の振幅ではなく周波数が細胞の増殖に重要であること、ERK活性の細胞間伝搬が細胞集団運動の方向性を決めること、また最後にシグナル伝達の光操作法の開発について紹介したい。 - 問合せ先
 - 神経システム生物学
稲垣 直之 (ninagaki@bs.naist.jp) 
        奈良先端科学技術大学院大学